1. はじめに
ANAプレミアムエコノミーは、エコノミーより高い料金を払う価値があるのでしょうか。年末年始のアメリカ旅行で成田―サンフランシスコ、ロサンゼルス―成田の長距離便に搭乗し、座席の広さ、睡眠、腰への負担、機内食、ラウンジを確認しました。50代夫婦の実体験から、向いている人と予約前の注意点を率直に紹介します。
2. 結論|快適だが「よく眠れる座席」ではない
先に結論をお伝えすると、ANAプレミアムエコノミーは、エコノミーより明らかに快適でした。
足元には余裕があり、足を伸ばして過ごせます。座席の横幅も十分で、隣席との仕切りがあるため、自分のスペースを確保しやすい点も良かったところです。
一方、長時間フライトでしっかり眠れるかというと、私の場合はそうではありませんでした。リクライニング角度がもっと欲しいと感じ、腰が痛くなって途中で目が覚めました。実際に眠れたのは2〜3時間程度です。
私の評価を簡潔にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 実体験での評価 |
|---|---|
| 足元の広さ | 満足。足を伸ばせた |
| 座席幅 | 十分な余裕があった |
| 隣席との距離 | 仕切りがあり、空間を確保しやすい |
| リクライニング | もう少し角度が欲しかった |
| 睡眠 | 2〜3時間程度 |
| 腰への負担 | 痛みで途中覚醒した |
| 機内食 | エコノミーより少し良い程度 |
| アメニティ | スリッパは便利。枕と毛布は普通 |
| ラウンジ | 出発前に休めるメリットは大きい |
| 次回の選択 | ビジネスクラスが高すぎれば再びプレエコ |
ANAプレミアムエコノミーは、「エコノミーより楽に移動したいが、ビジネスクラスまでは予算を出しにくい」という人に向いた現実的な選択肢です。
ただし、「高い料金を払えば横になって眠れる」と期待すると、満足できない可能性があります。
3. 今回利用した航空券と搭乗区間
今回の旅行では、United Airlinesの公式サイトから、ANA運航のコードシェア便を予約しました。
利用した旅程は次のとおりです。
| 日程 | 区間 | 主な利用クラス・内容 |
|---|---|---|
| 2025年12月27日 | 成田→サンフランシスコ | ANAプレミアムエコノミー |
| 同日 | サンフランシスコ→オーランド | 米国内線へ乗り継ぎ |
| 2026年1月 | オーランド→ロサンゼルス | 米国内線 |
| 帰国時 | ロサンゼルス→成田 | ANAプレミアムエコノミー |
往路の成田―サンフランシスコ線は、ANA便名ではNH8、United便名ではUA7950と表示されていました。
航空券は2人分の全旅程で76万円台です。予約時にはANA公式サイトとUnited公式サイトを比較し、United公式サイトのほうが安かったため、Unitedから購入しました。
正確なエコノミークラスとの差額は記録していません。そのため、本記事では推測の価格差を出さず、実際の座席や睡眠、サービスに対して価値を感じたかどうかを中心に評価します。
United発券でも、Unitedの予約番号を使ってANAのサイトから予約内容を確認でき、ANAアプリにも旅程や搭乗券を表示できました。座席指定はUnitedのサイトで行っています。
コードシェア便では、販売会社と運航会社が異なります。予約時には料金だけでなく、次の項目も確認しておくことが大切です。
- 実際の運航会社
- 運航会社側で座席指定できるか
- 受託手荷物の条件
- チェックインする航空会社
- 乗り継ぎ空港での荷物受け取り
- 変更・キャンセル条件
- ラウンジの利用条件
4. ANAプレミアムエコノミーの座席を実体験レビュー
今回選んだのは、プレミアムエコノミー区画の中央ブロックにある3列目の座席です。夫婦2人で並んで座りました。
最前列ではありませんが、実際に長時間過ごしてみると、足元の広さと収納の使いやすさのバランスが良い座席でした。
4.1 足元は広く、足を伸ばして過ごせた
エコノミークラスとの違いを最も感じたのは、足元の余裕です。
長時間フライトでも足を伸ばして過ごすことができ、膝まわりの窮屈さは感じませんでした。座ったまま同じ姿勢が続く長距離便では、この余裕だけでも身体への負担が変わります。
特に40代・50代・60代になると、単に「座れる」だけでなく、足の位置を変えられることが重要です。狭い座席で膝や足を動かしにくい状態が続くより、プレミアムエコノミーのほうが楽に過ごせました。
ただし、足元が広いことと、横になって眠れることは別です。足を伸ばせても座席自体はフルフラットになりません。
4.2 座席幅と隣席との仕切りにも満足
座席の横幅にも十分な余裕を感じました。
さらに、隣席との間に仕切りがあるため、お互いのスペースが曖昧になりにくい点もメリットです。夫婦で並んで座る場合はもちろん、隣が知らない人になった場合でも、自分の空間を確保しやすいと感じます。
エコノミーでは肘掛けの使い方や肩の位置が気になることがありますが、ANAプレミアムエコノミーでは、そのストレスが軽減されました。
私が感じたプレミアムエコノミーの価値は、豪華な食事よりも、この座席幅と足元の余裕にあります。
4.3 リクライニング角度は物足りなかった
座席の広さには満足しましたが、リクライニング角度には物足りなさを感じました。
もう少し深く倒せれば眠りやすかったと思いますが、実際には身体を十分に横たえられる角度ではありません。長時間眠ろうとすると腰に負担がかかり、途中で目が覚めました。
プレミアムエコノミーはエコノミーより快適ですが、座席の基本的な性格はあくまで「ゆとりのある椅子」です。
ビジネスクラスのフルフラットシートのような睡眠環境を期待するクラスではありません。
4.4 最前列を積極的におすすめしない理由
プレミアムエコノミーの最前列は、前に座席がないため足元が広く、人気があります。
しかし、私は必ずしも最前列が最良の席だとは考えていません。
機材や座席仕様によって異なりますが、最前列では個人用モニターが座席横から取り出すタイプになったり、前方の壁面に設置されていたりします。
座席横から取り出すタイプでは、モニターの位置によって斜め右または斜め左を見る姿勢になり、長時間映画を見続けると首が疲れる可能性があります。壁面設置の場合は、モニターまでの距離が遠く感じることもあります。
また、前の座席がないため、シートポケットのような小物収納を使いにくい点もデメリットです。
最前列と通常列の違いを整理すると、次のようになります。
| 比較項目 | 最前列 | 通常列 |
|---|---|---|
| 足元 | より広い | 十分な広さがある |
| モニター | 座席横収納式または壁面の場合がある | 前席背面で見やすい |
| 小物収納 | 前席がないため使いにくい場合がある | 前席背面を利用しやすい |
| 首への負担 | モニター位置によって負担を感じる可能性 | 正面を向いて見やすい |
| 向いている人 | 足元の広さを最優先する人 | 映画、収納、使いやすさを重視する人 |
モニターの見やすさや小物の置きやすさを重視するなら、今回利用したような通常列のほうが快適です。
一方、これらのデメリットがあっても、とにかく足元の広さを優先したい人には最前列も選択肢になります。
座席仕様は機材によって異なるため、予約時にはシートマップと機材を確認してください。
5. 長時間フライトで実際に眠れた時間と疲労
5.1 睡眠時間は2〜3時間程度
長距離便で実際に眠れたのは、合計で2〜3時間程度でした。
足元が広いため、エコノミーより楽な姿勢は取れます。しかし、フルフラットではないため、自然な寝姿勢にはなりません。
「プレミアムエコノミーならぐっすり眠れるのでは」と期待している人は、この点を慎重に考えたほうがよいでしょう。
個人差はありますが、私は足元の広さだけでは十分な睡眠につながりませんでした。
5.2 腰が痛くなり、途中で目が覚めた
最もつらかったのは腰です。
眠り始めても腰が痛くなり、途中で目が覚めました。座席をもっと深く倒せれば腰への負担を分散できたと思いますが、プレミアムエコノミーのリクライニングでは限界があります。
到着後の疲労を最小限にしたい場合や、座った状態では眠りにくい人、腰痛が気になる人は、ビジネスクラスも比較したほうがよいでしょう。
反対に、機内で熟睡することよりも、足元の余裕や隣席との距離を重視する人なら、プレミアムエコノミーのメリットを感じやすいと思います。
5.3 エコノミーより快適だがビジネスクラスとは別物
プレミアムエコノミーは、エコノミークラスとビジネスクラスの中間に位置します。しかし、体感的には単純な「ちょうど中間」ではありません。
| 比較項目 | エコノミー | プレミアムエコノミー | ビジネスクラス |
|---|---|---|---|
| 足元 | 限られる | 広く、足を伸ばしやすい | 非常に広い |
| 座席幅 | 標準的 | ゆとりがある | 大きな余裕がある |
| 睡眠 | 座った姿勢 | 座った姿勢のまま改善 | フルフラット対応便なら横になれる |
| 料金 | 抑えやすい | 中間 | 高額になりやすい |
| 主な価値 | 移動費を抑える | 身体的負担を軽減する | 睡眠と到着後の体調を優先する |
プレミアムエコノミーは、エコノミーの窮屈さを大きく改善してくれます。ただし、睡眠についてはビジネスクラスとの間に大きな差があります。
私自身、次回の長距離便では、予算が許せばビジネスクラスを選びたいと感じました。それでもビジネスクラスが高すぎる場合は、エコノミーに戻るのではなく、再びプレミアムエコノミーを選びます。
6. 機内食とアメニティの正直な感想
6.1 機内食はエコノミーより少し良い程度
機内食は、離陸後の最初の食事と、着陸前の食事が提供されました。このほか、デザートとしてハーゲンダッツも出ました。
品数は十分でしたが、率直な感想は「エコノミーより少し良いかな」という程度です。
食事のためだけにプレミアムエコノミーを選ぶほど、大きな差は感じませんでした。
ANAでは便や時期によってメニューと提供タイミングが異なり、内容が変更されることもあります。搭乗予定便の最新情報は、ANA公式のプレミアムエコノミー機内食案内で確認できます。
私が感じたプレミアムエコノミーの価値の優先順位は、次のとおりです。
- 足元の広さ
- 座席幅と隣席との仕切り
- 出発前のラウンジ
- スリッパなどのアメニティ
- 機内食
機内食の豪華さを期待するより、座席と地上サービスに追加料金を払うと考えたほうが、実際の満足度に近いと思います。
6.2 スリッパは長時間フライトで役立った
アメニティでは、スリッパが用意されていたことが良かったです。
長時間フライト中に靴を脱ぎ、スリッパで過ごせるだけでも足が楽になります。派手なサービスではありませんが、実用性の高いアメニティでした。
以前は、スリッパに持ち帰り用袋と靴べらが付いていましたが、現在は最初から同梱されず、希望する場合に客室乗務員へ伝えて受け取る方式です。
これは実体験だけでなく、ANAの現在の案内でも確認できます。ANA公式のプレミアムエコノミー・アメニティ案内には、靴べらと持ち帰り用袋は希望者が客室乗務員へ申し出るよう記載されています。
必要な場合は、降機直前ではなく時間に余裕があるうちにお願いしておくと安心です。
6.3 枕と毛布に特別感はなかった
枕と毛布も用意されていましたが、使用感は普通でした。
プレミアムエコノミーだからといって、寝具に特別な高級感があるわけではありません。腰への負担を軽減したい人は、使い慣れたネックピローや小型の腰当てを持参する方法もあります。
ただし、腰当てなどを使うと座面が狭く感じる可能性もあります。荷物を増やしたくない場合は、上着や機内の毛布を腰の後ろに挟んで調整する方法が現実的です。
7. ANAプレミアムエコノミーのラウンジ利用
7.1 成田空港のANA Lounge
成田空港では、ANA Loungeを利用しました。
搭乗券にラウンジ利用の表示があり、同じプレミアムエコノミーを予約していた同行者と一緒に入室できました。ラウンジには約2時間滞在し、シャワーも利用しています。
長距離便の前にシャワーを浴び、座って落ち着いて過ごせたことは大きなメリットでした。
ただし、ラウンジの入室基準は、搭乗クラス、運航会社、空港、会員資格などによって異なります。ANAも空港ごとに利用基準を確認するよう案内しているため、予約しただけで判断せず、ANA公式のプレミアムエコノミー・ラウンジ案内を確認してください。
7.2 LAXのStar Alliance Lounge
ロサンゼルス国際空港では、Tom Bradley国際線ターミナルにあるStar Alliance Loungeを利用しました。
こちらも搭乗券にラウンジ利用の表示があり、出発前に入室できました。
空港で搭乗開始まで一般エリアの椅子に座って待つのと、ラウンジで飲食しながら過ごすのとでは、出発前の疲れが違います。特に帰国便のような長時間フライトでは、搭乗前に落ち着ける場所があることに価値を感じました。
LAXの対象ラウンジや利用基準は変更される可能性があります。搭乗前にはANA公式のロサンゼルス空港ラウンジ案内で最新情報を確認してください。
7.3 SFO・オーランドのUnited ClubはSFC資格で利用
サンフランシスコとオーランドでは、United Clubを利用しました。
ただし、こちらはANAプレミアムエコノミーの搭乗特典としてではなく、保有しているANA SFCによるスターアライアンス・ゴールド資格を利用したものです。同行者も一緒に入室できました。
プレミアムエコノミー搭乗によるラウンジ利用と、会員資格によるラウンジ利用は、分けて考える必要があります。
今回の実体験では次のようになります。
| 空港 | 利用ラウンジ | 主な利用根拠 |
|---|---|---|
| 成田 | ANA Lounge | ANAプレミアムエコノミー |
| サンフランシスコ | United Club | SFC/スターアライアンス・ゴールド |
| オーランド | United Club | SFC/スターアライアンス・ゴールド |
| ロサンゼルス | Star Alliance Lounge | ANAプレミアムエコノミー |
ラウンジを航空券選びの判断材料にする場合は、「どの空港で、どの資格によって入れるのか」まで確認することが重要です。
8. ANAプレミアムエコノミーのメリット・デメリット
実際に長距離便で利用して感じたメリットは、次のとおりです。
- 足を伸ばして過ごせる
- 座席幅に余裕がある
- 隣席との仕切りで自分の空間を確保しやすい
- エコノミーより長時間フライトの負担が少ない
- 対象空港ではラウンジを利用できる
- スリッパがあり、靴を脱いで過ごしやすい
- ビジネスクラスより料金を抑えやすい
一方、デメリットもあります。
- フルフラットにはならない
- リクライニング角度が物足りない
- 腰が痛くなり、十分に眠れない場合がある
- 機内食はエコノミーとの差を大きく感じにくい
- 枕や毛布に特別感はない
- 最前列はモニターと収納が使いにくい場合がある
- エコノミーとの価格差によっては割高になる
- ラウンジの利用条件が空港や旅程によって異なる
プレミアムエコノミーを評価するときは、食事の豪華さではなく、「エコノミーより身体の負担をどれだけ減らせるか」を基準にするのがおすすめです。
9. どんな人におすすめできる?
ANAプレミアムエコノミーが向いているのは、次のような人です。
- エコノミーの足元や横幅がつらい人
- 10時間前後の長距離便を少しでも楽に過ごしたい人
- ビジネスクラスは高すぎると感じる人
- 隣席との距離や自分のスペースを重視する人
- ラウンジを利用して出発前の負担も減らしたい人
- 機内で熟睡できなくても、座席の余裕を優先したい人
- 40代・50代・60代の夫婦旅行で移動疲れを抑えたい人
反対に、次のような人には向かない可能性があります。
- 航空券代を最優先で抑えたい人
- 機内で横になって十分に眠りたい人
- 腰痛が強く、座った姿勢での睡眠が難しい人
- 機内食や寝具にビジネスクラス並みの特別感を期待する人
- エコノミーとの差額が大きい日程で旅行する人
特に、到着当日から運転や重要な予定がある場合は、プレミアムエコノミーだけでなくビジネスクラスの料金も確認したほうがよいでしょう。
10. まとめ
ANAプレミアムエコノミーは、エコノミーより足元と座席幅に余裕があり、長時間フライトの負担を確実に軽減してくれました。
中央ブロックの3列目に座った今回の体験では、足を伸ばして過ごせ、隣席との仕切りによって自分のスペースも確保できました。最前列よりもモニターや小物収納を使いやすく、座席全体のバランスには満足しています。
一方、リクライニング角度は十分とは感じられず、実際に眠れたのは2〜3時間程度でした。腰の痛みで途中目が覚めたため、「プレエコなら長時間ぐっすり眠れる」とは言えません。
機内食はエコノミーより少し良い程度で、枕と毛布も普通でした。食事やアメニティより、座席の広さとラウンジに価値を感じています。
私の率直な結論は次のとおりです。
ANAプレミアムエコノミーは、眠るための座席というより、エコノミーより身体への負担を抑えて移動するための座席です。
次回は予算が許せばビジネスクラスを選びたいと思います。ただし、ビジネスクラスが高すぎる場合は、エコノミーに戻るのではなく、再びプレミアムエコノミーを選びます。
11. 予約前に確認したいこと
ANAプレミアムエコノミーを検討している場合は、最初から一つの予約サイトだけで決めず、次の項目を比較してみてください。
- ANA公式サイトの料金
- コードシェアを販売する提携航空会社の料金
- エコノミーとの価格差
- ビジネスクラスとの価格差
- 往復ともプレミアムエコノミーか
- 長時間区間だけプレミアムエコノミーか
- 運航機材とシートマップ
- 最前列か通常列か
- 座席指定の可否と追加料金
- ラウンジの利用対象
- 受託手荷物の条件
- 変更・払い戻し・キャンセル条件
料金差が小さければ、プレミアムエコノミーの価値を感じやすくなります。一方、ビジネスクラスとの差が意外に小さい日程なら、到着後の体調まで考えてビジネスクラスを選ぶ価値があります。
同じ便でも、購入する航空会社や予約時期によって料金が異なる場合があります。必ず最終支払額とキャンセル条件まで確認したうえで比較してください。
12. 著作権・引用について
本記事の搭乗体験、評価、料金、写真および文章は、筆者の実体験に基づいています。無断転載、画像の複製、文章の全文コピーはご遠慮ください。
ANAのサービス内容やラウンジ利用条件については、ANA公式サイトの公開情報を参考にしています。機材、機内食、アメニティ、ラウンジ、運賃および利用条件は変更される場合があります。予約・搭乗前には必ず航空会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
